「子どもの自己実現をめざす」
次山信男
(東京学芸大教授)

問題解決学習というのは、問題をつかまえてそれを追究して、結論を出して「はい、終わり」というものではありません。ある問題から入り込んで、それを追究していく中で、次の問題を引き出していく。つまり、それがわかりかけたとたんに、わからない問題が出てくる。次々に問題を引き出していく学習なのです。ですから、私はこれを“問題解決し続ける学習”と理解しようとしています。
「問題解決学習なんて、すごく難しい。高学年、あるいは中学生ぐらいにならないと、本当の問題解決学習はできない」という人もいますが、ゆう子さんのノートを見れば一年生でもしっかりできているのです。
フィールドワークによる情報収集、帰納法な思考法、そして、新たな問題の再生という問題解決学習を体験を通しながら見事に進めているのです。
子どもたちはこのような学習の場で、だんだんと本気になって生きようとする状況に自分を追い込んでいくのでしょう。
そして、これは生涯にわたっての学習のあり方、つまり、生き方となっていくものと考えるのです。自分で自分の人生を問題解決的に切り開いていくのです。このような意味からすれば、教師の仕事は、生活や社会科という教科を通して、人間らしく生きることの基礎を築くお手伝いをするということになるのでしょうか。

教育展望 
'1994.7月号.
P.24,25


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