ふつう感性は、少し低目にみられ、「理性的認識は 能動的であるが、感性的認識は受動的である」。ある いは、最も一般的に「刺激に対する感応のしやすさ」(感受性)と解されている。
しかし、私は感性に対し て、もっと重々しい意味を与えたい。
たしかに感性は、その後に知性や感情の働きを起こ させる「初発」であり、「刺激に対する敏感さ」(感 受性)であり、もっと突きつめていえば「驚きの反応」である。しかし、その人が、なにに対して敏感か。な にに驚くか。この点を考えると、様々な人の示す感性 には、その人なりの選択があり、その人なりの心の働 きかけがあるわけである。
私たちが豊かにしたい感性、特に情操の働きを促す感性は、けっしてたんなる感覚 (sensation)ではない。
「価値あるものに気づく感覚」であり、主体の方が 「気づく」という点で、若干は能動的なものとしてお こう。

片岡 徳雄
(広島大教授)

子どもの感性をはぐくむ(NHKブックス)


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送