「なりたい自己」と
「なれる自己」

「なりたい自己」というのは、自分がこれからの社会でどのような生き方をしたいかという選択肢である。
 子どもたちは、日常的な生活を送っているだけでは、社会における仕事、役割、思想、趣味などのごく一部にしか触れることができない。学校で学ぶことによって、それが広がり、視野の中にはいってくる。
 一方、「なれる自己」というのは現在の自分の能力の延長として可能となる生き方である。
 学校での学習が一見その時に役に立つように見えなくても、それらは確実に「なれる自己」を広げるものであり、いずれ、「なりたい自己」と「なれる自己」の重なったところから自分が選ぶときの可能性を豊かにするものになるのである。

「学力低下論争」
ちくま書房
2002.8 p.238
市川伸一
(東京大学教授)


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