道具としてのコンピュータ
井口 磯夫
(十文字学園女子短期大学教授)
ある日、通信上で出会った人が、たまたま聴覚障害者だった。それを知った時に私は驚きと感動を味わった。パソコン通信の中で、聴覚障害者にハンディは存在しないと気づいたからだ。それをきっかけとして、パソコンとは、道具とは何であるかを初めて知った。便利なモノとしてだけの存在だとばかり思っていたマルチメディアは、コミュニケーションの可能性を無限にしてくれた。社会のスピードから取り残された障害者や、私のように家の中という空間だけの生活をしている者の道を切り開いてくれた。
(日経WIND応募論文
主婦 古閑しづ子さん
〜熊本市在住〜
の論文より
H.7.4.4 日本経済新聞掲載)
教育展望 '95 10月号
P.17
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