佐伯 胖
『わかること・できること』
参加は理解に先行する。
人はものごとを理解するより、以前に大人の行為のまねや大人に助けられた社会的・文化的行為のなぞりによって、文化的営みへの参加のレベルを深めて行く。
〜略〜
しかし、子どもはしだいに「理解」そのものが文化的に受け入れられることを知り始め、理解を作り出そうとする。その段階でさきにほとんど無反省的に取り込まれていた行為が、意味理解によって吟味されたり裏付けされるのである。
PP.15
その場合の「勉強」とは「誰かに教えてもらう」ことであって、自分達で考えたり探求したりすることではないことが多い。 PP.18
日本人は一生涯を「研修期間」で過ごす。みがきあげ、修練しつづけ死ぬまで「修行中」なのである。つまり、文化の創造への参加はいつまでも後回しにして生きているのである。「できる」を「わかる」から分離して修行し、教えてもらって生き続ける。
PP.18
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