学習は本来「楽しい」ことなんだ


わが国では、「教科書」というのは「おもしろくない本」、本屋に並べてもおそらく誰もお金を払ってまで手に入れようと思わない本であった。そのほか、ドリルにせよ、何にせよ教材と名のつくものは見るからに「おもしろい」「楽しい」ものではなかったといえよう。
「勉強」というのは本来苦しいことであり、しんどいことを我慢して、こつこつと努力してこそ、進歩し向上するのであり、おもしろがってなどいられない、というのが従来の学習観であった。
それが、コンピュータの世界でマルチメディア時代に入り、コンピュータというものを「楽しむ道具」だという考え方が広がりはじめ、それがいわゆる「教育ソフト」にも波及してきたのである。ここに、コンピュータが「学習」というものの質を変える第一の可能性がある。

佐伯 胖(東大教授)
教育展望 1994,10月号,p.6


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